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長谷川等伯 特別展

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東京国立博物館にて開催されている
長谷川等伯 没後四〇〇年特別展に行って参りました。

狩野永徳も脅かし、豊臣秀吉を唸らせた天下一の絵師。
その数々の作品にはただ圧倒されるばかり。

仏画、肖像画、山水花鳥画と
素晴らしい作品の数々をあげるとキリがないのですが
中でも印象的だったのが重要文化財「仏涅槃図」
そして水墨画の最高峰とされる国宝「松林図屏風」。

「仏涅槃図」は縦10メートルもありとにかく巨大。
弟子達だけでなく、動物達も悲しんでいるのが印象的。
跡継ぎになるはずだった息子、後ろ盾であった秀吉の死後に描かれたもので
一種の悟り絵でもある。
右下のほうには「雪舟五代目長谷川等伯」と記されており
等伯自身の結束の意志が伺える。

そして、この絵の裏には日蓮聖人以下の諸祖師
本法寺開山の日親上人以下歴代住職
祖父母、養父母、先立った息子の供養銘が
記されているとのこと。
篤い信仰心と一族への想いが生んだ奇跡の作品といえる。
この素晴らしさは巨大な実物を目のあたりにしないと
伝わらないとおもう。



「松林図屏風」は水墨画の最高傑作といわれるだけあり
侘びの境地を見事表現している。
一見すると静寂に包まれた世界であるが
近くで見ると筆は荒く勢いがあり
松林は一定のリズム感があるからか、どこか踊っているようにも
見えてくる。

誰のために描いたのか、何のために描いたのか未だ不明だというが
等伯自身の心象を描いたものであると感じられる。

この幽玄の世界を見てると「まほろば」という言葉が浮かぶ・・・。

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