新橋まで、歌舞伎を見に行って参りました。
夜の部で演目は「籠釣瓶花街酔醒」と長唄「あやめ浴衣」。
籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)は全八幕の長い作品ですが
今日演じられているのは5、6、8幕のみ。
しかし今回は明治以降途絶えていた部分が復活し、序幕からの公演。
見所は八ツ橋が登場する花魁道中、大勢関係者の中での突然の縁切りと、
大詰めで妖刀「籠釣瓶」の切れ味に憑かれて豹変する主人公の次郎左衛門。
ネタバレになるのであまり多くは語れませんが
本当に悲劇的で儚い展開。
とはいえ花魁道中で八ツ橋に惚れる次郎左衛門のリアクションとか
笑いをさそうような場面も結構あって面白い。
最後の場面は見事でしたね。
長唄「あやめ浴衣」は初夏を彩る華やかな演目。
三味線と艶やかな舞が魅せてくれます。
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立夏
長谷川等伯 特別展
東京国立博物館にて開催されている
長谷川等伯 没後四〇〇年特別展に行って参りました。
狩野永徳も脅かし、豊臣秀吉を唸らせた天下一の絵師。
その数々の作品にはただ圧倒されるばかり。
仏画、肖像画、山水花鳥画と
素晴らしい作品の数々をあげるとキリがないのですが
中でも印象的だったのが重要文化財「仏涅槃図」
そして水墨画の最高峰とされる国宝「松林図屏風」。
「仏涅槃図」は縦10メートルもありとにかく巨大。
弟子達だけでなく、動物達も悲しんでいるのが印象的。
跡継ぎになるはずだった息子、後ろ盾であった秀吉の死後に描かれたもので
一種の悟り絵でもある。
右下のほうには「雪舟五代目長谷川等伯」と記されており
等伯自身の結束の意志が伺える。
そして、この絵の裏には日蓮聖人以下の諸祖師
本法寺開山の日親上人以下歴代住職
祖父母、養父母、先立った息子の供養銘が
記されているとのこと。
篤い信仰心と一族への想いが生んだ奇跡の作品といえる。
この素晴らしさは巨大な実物を目のあたりにしないと
伝わらないとおもう。
「松林図屏風」は水墨画の最高傑作といわれるだけあり
侘びの境地を見事表現している。
一見すると静寂に包まれた世界であるが
近くで見ると筆は荒く勢いがあり
松林は一定のリズム感があるからか、どこか踊っているようにも
見えてくる。
誰のために描いたのか、何のために描いたのか未だ不明だというが
等伯自身の心象を描いたものであると感じられる。
この幽玄の世界を見てると「まほろば」という言葉が浮かぶ・・・。
鳥獣戯画
鳥獣戯画…平安~鎌倉時代に描かれた大昔の動物漫画。
手塚先生も大変衝撃を受けたと語ってましたね。
僕も、あの絵に描かれた動物(特にうさぎときつね)の描写が
艶やかというか、一種のエロスを感じるというか
僕にとっては教科書で見たときから大変萌ゆるものでして…
うさぎさんかわいいよ。
二年前に鳥獣戯画の展示がサントリー美術館にて行われたのですが
あろうことか、そのとき図録を買い忘れてしまっていたのです。
これは不覚!
今になって資料が欲しくなってしまって
探してみたのですが、鳥獣戯画に関する書籍が全然見つからなく
あったとしても、とても手の届かない高価なもので…。
そして今日、ジュンク堂書店に行ったら
何故か普通に置いてありました。
いつも立ち寄ってる日本美術コーナーに
突然置かれていただけに吃驚。
本の流通には詳しくないので
何で美術館の図録が置いてあるのかさっぱりでしたが
これほど好都合なことはありませんでしたね(笑)
おまけ
鳥獣戯画の資料が欲しいあまり描いていた落書き。
いずれも墨の練習を兼ねて。
やはり一発描きは難しいです。
鳥獣戯画の毛並みの表現も参考にしていきたいな。
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